2015年1月5日月曜日

【KPI分析(第1回)】用語解説編

あけましておめでとうございます。
meleapの2015年も本日からスタートしました!
今年はmeleapの名前が世界中に轟くような1年にします。必ず!

さて、ブログネタですが、meleapにはソーシャルゲーム業界あがりの人間が自分以外いないので、半分社内向けにソーシャルゲーム(に限らずアプリ全般)界隈でよく出てくるKPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)について何回かにわけて書いていきたいと思います。

まずは第1回目なので、超基本的な用語解説から。

◆ダウンロード数

これはそのままですね。アプリがダウンロードされた数です。
でも、この数字はほとんど意味をなさない数字です。なぜならその大半はもう遊ばれていないか、端末から削除されてるから。
でも大きな会社の偉い人は気にする数字です。「◯◯万ダウンロード突破!」とかいいたいですからね。
あと、広告のゴールとして設定されがちですが、広告の役割は良質なユーザーを効率よく獲得することなので、ダウンロード数だけ見て一喜一憂するのはなんの意味もありません。

◆DAU

これは、daily active usersの事で1日のアクティブユーザー数です。ちなみにMAUは月のアクティブユーザー数。
この数字、一昔前(ブラウザマンセーの頃)は超重要な数字とされていて日々上がった下がったを注視してましたが、現在においては非常に不確かな数値でDAUをウォッチしててもあまり意味がないと言われています。
DAUはブースト施策などで簡単に上がるし、次の日にはガクッと下がります。なので、純粋にユーザーが楽しく遊んでくれているか、なにかゲーム内に問題が起きていないかをチェックするのには、信頼性に欠ける数値なのです。
このあたりは今後もっと深堀りしていきます。

◆PU

payed usersの略で、課金をしたユーザー数の事。
この数値は今も昔も非常に重要なKPIの一つです。基本無料モデルが定着し、一人がいくつものアプリを試しては削除してを繰り返している中、1円でもお金を支払ってくれたユーザーというのはそのアプリにとって非常に価値のあるユーザーです。
課金率や課金額は広告や施策により大きく上下しますが、このPUはそこまで大きく変動しません。なによりアプリ自体の面白さが影響してくる数値です。この数値が減少しているということは面白いと思ってくれていたユーザーの期待を裏切り離れていってしまった事を意味します

◆課金率

アクティブユーザーのうち、課金者がどのくらいいるかの割合です。基本的には、Dailyで見ることが多いので、DailyのPU/DAUで算出します。
先にも説明したとおり、DAU自体がブースト施策などで大きく変動する値なので、課金率もおのずと大きく変動します。
ですので、売上を予測する上で重要な数字ではありますが、あまり信頼性はない数字です。

◆ARPPU

ARPPU(average revenue per payed users)は課金者一人あたりの平均課金額で、売上/PUで算出します。
この数値を上げることは売上にダイレクトに影響するので、重要な数値ですが、サービスを長続きさせたいのであれば、しっかりとバランスをとり、時にはARPPUの上昇を抑えるなどの処置も必要な場合があります。ガチャモデルのゲームなどはARPPUが高くなる傾向にあり、ARPPUの上昇がコンテンツの消費スピードを加速させたり、無課金ユーザーと重課金ユーザーとの差を広げるなどして、ユーザーを離脱させる原因にもなりかねません
とはいえ、売上を上げることを義務付けられている苦しいサービスの場合は(ほとんどそうだけど)、ガチャ施策などでARPPUを手っ取り早く上げ、その場しのぎの売上向上を行う事が多いのが現状かと。

◆ARPU

ARPU(average revenue per users)は、ユーザー一人あたりの平均課金額で、売上/DAUで算出します。
こちらもDAUを計算に使用しているので、あまり信頼性の高い数値ではないです。
広告の効果検証として、新規ユーザーが課金者(PU)になったかを評価する指標として用いる場合もあるけれど、個人的にはあまり注視しなかったです。

◆継続率

その名の通り、アプリをダウンロードしてくれた人のうち何人が継続して遊んでくれているかを示す指標です。
一般的には、ダウンロードしてから1〜7日、14日、30日、くらいを目安にそれぞれの継続率を見ていきます。
ブラウザゲーム全盛の頃は、アプリをリリースしたらmobageやGREEの新着枠に掲載され、そこから数万というユーザーが自然流入してきたので、翌日継続率、3日後継続率、7日後継続率あたりをいかに高めるかに躍起になっていました。その初動でアプリの生死が決まるといっても過言でなかったからです。
もちろん、現在のネイティブアプリでも継続率の重要性は変わりません。ただ、傾向として無理やり施策で継続率を上げるという流れから、ゲーム自体の面白さで上げていくという本質的な流れに変わってきていると思います。

◆LTV

life time valueの略で、ユーザー一人あたりがゲームを辞めるまでの生涯課金額の事。主に広告効果を評価する際に使用する。
広告によって1ユーザー獲得するのに使った金額より、そのユーザーが辞めるまでにこのゲームに課金した金額が高くないと、広告を打つ意味がなく、広告を打てば打つほど赤字になってしまいます。
なので、アプリのLTVよりいかに低い金額でユーザーを獲得できるか。そして、獲得後にLTVを下げないような優良なユーザーを獲得できるかが、広告担当者の腕の見せどころになるのかと思います。
このあたりも今後もう少し深堀りしていきたいです。

◆売上

特に説明も必要ないですが、アプリの課金額の合計です。
単純な課金額の合計をグロス売上、プラットフォームの手数料を差し引いた売上をネット売上とか言ったりします。
売上を予測する上で、DAU✕課金率✕ARPPUという式を使ったりします。
ただずっと言っているようにブースト施策によって各種KPIは大きく変動するので、正確に予測するにはもっと根底にあるKPIを元に算出する必要があります。
売上アップはゴールではありますが、上辺の数値だけ見てては適切な施策どころか一過性で寿命を縮める施策を打つことになってしまいます。現場にはあまり売上アップを強要しないほうが健全な運営ができると思います。


とりあえずはここまで(なんか気づいたら大ボリュームになってた^^;)。
とはいえ、上に挙げた用語は基本中の基本のものです。
見るべき指標はアプリによって異なるし、施策によっても異なります。
また、ブラウザゲーム全盛の頃とネイティブが主戦場の今とでも大きく異なります。

KPI分析の手法も日進月歩です。
アプリの異変にいち早く気づくために、施策や広告を効率よく打つために、より「正確」なKPIはなにかを各社日々追求しています。
次は、より「正確」なKPIとはなにか、というあたりを書こうかと思います。では。