2015年3月28日土曜日

SXSWで見たウェアラブル、IoTの今後

SXSW(サウスバイサウスウエスト)とは、毎年3月にアメリカテキサス州オースティン市で行われる、音楽と映画、ITの祭典です。

もともと音楽のイベントとして始まったということもあり、この時期になるとオースティンは音楽に包まれ、夜になると路上はパーティ状態です。ちなみにtwitterが有名になったのもこのイベントです。毎年その時々の旬なプロダクトが世界中から集まってきます。そんな楽しいイベントに参加し、ITを中心にいろいろ見てきました。

今年のSXSWで注目されていたテーマは、IoT、ウェアラブル、デジタルヘルス、AI、ロボット、ビッグデータ、VRあたりです。これらのテーマを中心に数千のセッションが組まれ、街中の至る所で議論がされています。その中で私はVR/AR/ウェアラブル/IoTなどの展示、セッション中心に見てきました。

ちなみにVRとARの違いはこんな感じです。
VRはユーザーがゲームの世界、宇宙空間などの異世界に入ること、ARは現実世界にバーチャルの要素を取り込むということです。分かりやすく言うとこんな感じです。



VRの様々な可能性が追求されている
VRはoculus riftの登場、そしてfacebookによる買収により圧倒的な注目を集めています。もともとはFPSゲームに使うデバイスとして考えられていたデバイスですが、現在VRはゲームを超えて様々な用途で注目されています。
例えば、乗り物やインテリアのシミュレーション、教育、旅行、医療などです。
それだけヘッドマウントディスプレイ(HMD)の解像度や、ヘッドトラッキングの精度が良くなり、「本当にその世界に没入した感覚」が得られと考えているのです。
そのVRの可能性を感じ、多くのメーカーがVR用の端末を発表し始めており、その数は数えきれないほどになってきています。代表的なのはoculusとSonyのMorpheusですが、それ以外にも日本の「Fove」やオープンソースVRHMD「OSVR」などもあります。
今回SXSWではその中のいつくかを体験してきました。
Foveは視線でコントロールするVRHMDです。デバイスの内側に視線を認識するセンサーが組み込まれており、ゲームプレイ時に視線で照準を合わせることができます。ゲームの他にも、体に障害のある子どもがピアノを視線で弾けるようにするなどのプロジェクトも行われています。


こちらはOSVRのHMD

VRはこれからますます盛り上がりを見せていくと思います。
CG映像だけでなく、360°映像を撮影する環境も整ってきました。リコーのシータやGoproを使って撮影する会社も多いです。さらにfacebookが360°映像をアップロード可能にしたので、これから360°映像のコンテンツは増えてくるのではないでしょうか。



ARデバイスはステルスで開発中、アプリもまだ出てきていない
今回SXSWでは、ARの将来性を語るセッションはあったものの、ARの展示は全くありませんでした。Microsoftの「HoloLens」やベンチャーのmagic leapなどが注目されていますが、デバイスはまだ露出されていません。イメージムービーのみが出てきている段階です。
これはmagic leapのイメージムービー。

そしてこれがHoloLensのムービーです。

ARはまだ開発者向けとしても出ているものは非常に少なく、まだまだこれから立ち上がってくる市場だと思います。ちなみにガートナーが出しているハイプサイクルを見てもARはこれからの技術であることはわかります。

oculusのCEOであるPalmer Luckey氏はSXSWのセッションにて、「ARには興味があるがまだこれからの市場であり、今はARのキラーアプリはない。VRであればイケてる体験を作れる」と言ってました。
弊社meleapはこのARを全力で切り開いていこうとしています。非常にチャレンジングでワクワクするテーマです。0から1をつくる瞬間ですね。


混沌としているIoT
IoTというテーマも最近非常に注目されていますが、定義も曖昧でカオスな印象があります。
IoTが盛り上がっている背景にはスマホが普及し、通信環境が整い、センサーを安く作れるようになったという動きがあると思います。
SXSWの展示では「身の回りの様々なモノにセンサーを設置し、スマホで情報をみる」というものが数多くありました。例えば、ベッドにセンサーを付けて睡眠を分析する、歯ブラシにセンサーをつけてどのくらい磨いたか分析するなどです。こういうのを見ると何でもありだな!とびっくりします。
また、スマートウォッチもIoTに含まれると思いますが、Apple Watchが出るということもあり、今後の展開に注目が集まっています。最近ではpebbleがkickstarterで史上最高額を集めました。
スマートウォッチやスマートグラスのように常にディスプレイを身につけることで、そのとき必要な情報を素早く取得できるようになりますし、街中で起きた出来事がいち早くネットにアップされます。こうやって世界中を飛び交う情報の速度がどんどん加速していくでしょう。